全ての詐欺電話に共通する対策として、重要なことを先にお伝えします。
まずは詐欺電話に出ないで済む方法です。
- ナンバーディスプレイで知らない番号なら出ない
- 在宅時にも留守電にし、残ったメッセージのみ聞くようにする
- 登録していない番号からの電話には赤色ランプで警告する防犯電話や、「この通話は防犯のために録音されます」と予告してくれる電話に変える
もし電話に出てしまった時には
- なるべく喋らないこと
- 疑ったら失礼と思わないこと
- 名前と連絡先だけ聞き、電話を切る(連絡先も周到に用意していることがあるので、ネットで検索するのが安心です)
詐欺電話は個人情報を聞きだし、お金を振り込ませるケースが多いです。また、一部電話は「アポ電」と呼ばれるように、直接会う約束をし、キャッシュカードを盗んでいったり強盗に変貌したりする危険な電話です。
では、どのように詐欺電話を見抜けば良いのでしょうか?
基本的に詐欺はマニュアル化されており、これまでの事例を知ることで気づきやすくなります。この記事では詐欺電話の例や見抜くポイントをご紹介しているので、ぜひご一読ください。
還付金詐欺の電話
還付金詐欺の例
その後、銀行を騙る者から携帯に電話がかかり、ATMの操作を指示してきます。
詐欺師のテクニック
まずはいかにも正式な身分であるかのように、ハキハキと嘘の所属を名乗ります。この時点で怪しさを感じるのは難しいでしょう。
あらかじめ封筒を送ったのに返信してくれませんでしたね?とこちらの罪悪感をあおった上で、「今ならまだ間に合う」と寛容な態度を見せて手玉に取ろうとします。
詐欺を見抜くポイント
ATMで還付金は戻りません。これは例外のない大原則です。実際は何かと理由を付けて丸め込もうとしてきますが、正式な手続きは正式な書類がなくては行えないということを忘れずに対処しましょう。
いや、電話を切ってしまうのが正解ですね。
詐欺のバリエーション
以下にバリエーションの一例を挙げます。もっともらしいことを言いますが、全て騙しの手口です。
・業務が市から厚生労働省へ移管されました。
・どうしても書類がないのなら、ATMで手続きする方法もあります。
・あなたが使っている銀行口座を教えてください。そちらで手続き可能です。
・新型コロナの影響で窓口対応ができませんので、ATMで手続きお願いします。
警察を騙る詐欺電話
警察を騙る詐欺電話の例
「〇〇警察署、生活安全課の▲▲と申します。詐欺犯人を逮捕しましたが、あなたの名前が載っている名簿を所持していました。タカハシとフクダという男なのですが、知り合いではありませんか?よろしければ、他のご家族にも替わってください。」
いずれもキャッシュカード、口座の暗証番号などを提示させる内容の会話へ移行していきます。家に警官に扮した犯人が来て、カードを封筒に入れてすり替えたり、ハサミを入れて無効にするふりをして持ち去るケースもあります。
詐欺師のテクニック
警察からの電話、犯人の逮捕、あなたの個人情報が洩れている…いずれも動揺をさそう手口です。さらに犯人が知り合いではないか、家族全員に確認を求めて家族構成を聞き出そうという意図も。同居家族の有無について知られてしまえば、間違いなく悪用されるでしょう。
詐欺を見抜くポイント
警察を騙る詐欺については、警視庁がはっきりと次のように注意喚起しています。
警察官、銀行協会などの職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを封筒に入れさせることは絶対にありません。
引用:警察庁特殊詐欺対策ページ
また、ほとんどの銀行のホームページには次のような文面があります。
当行行員、警察官、銀行協会職員あるいは、官公庁職員等がキャッシュカードの暗証番号をお聞きしたり、キャッシュカードをお預りすることは、一切ありません。
引用:きらぼし銀行
詐欺のバリエーション
・ご主人はいらっしゃいませんか?
・あなたの家に空き巣が入り、偽札とすり替わっている可能性があります。
・保険証を落とされていませんか?
・直接会ってお話しがしたい。
大型店舗を騙る詐欺電話
警察を騙る詐欺電話の例
その後警察から、「カードの暗証番号を教えてください。いったんカードの利用を停止しますので、今から向かう警察官にカードを預けてください。」
詐欺師のテクニック
警察からの電話と似ており、犯罪被害に遭っていることや急を要する事態であるよう思いこませて騙そうという手口です。犯罪グループにスキミングなどでカード情報を抜き取られている、と驚かせるのが典型例。
詐欺を見抜くポイント
そもそも店舗が「あなたのカードが使われている」と連絡することはありません。
詐欺のバリエーション
実在する店舗名を使い、不正な請求をする例も確認されています。
・未払い分がある。支払わないと法的手続きに移行します。
まだ現役のオレオレ詐欺
オレオレ詐欺の例
詐欺師のテクニック
名乗らずに息子や孫と信じさせるために、電話番号が変わったことや病気で声の調子が悪いことを言い訳にします。金の一部は上司が出してくれるなど、連帯責任の心理を利用することも珍しくありません。
後で会社や警察などからも連絡が行くと言い、2段構えで騙す手口もみられ巧妙化が進んでいます。
詐欺を見抜くポイント
名前や勤め先を問いただすと電話を切るケースが多いです。勢いに流されずに落ち着いた対応で撃退可能です。弁護士などの第三者が登場してもそれは演技。「オレだけど」「私だけど」は詐欺です。
しかし中には家族構成を調査済みで、本名を名乗ってくるケースもあります。家族での合言葉を決めておかないと、どこかで信じてしまうかもしれません。
詐欺のバリエーション
・携帯電話をなくしたから、交番から連絡があるかもしれない。
・(カバンをなくした息子を騙る電話の後)こちら集配センターですが、▲▲さんの名前のあるカバンが届いています。
また、単純に在宅状況や経済状況を聞き出そうとする電話もあります。
・元気?今日、家にいた?
・旅行のおみやげを送りたいんだけど、何時なら家にいる?
新型コロナを利用した詐欺電話
新型コロナを利用した詐欺電話の例
詐欺師のテクニック
現在、特に高齢の方は新型コロナに大きな不安を抱いていると思います。その不安に付け込んだ、これからの流行が予想される詐欺です。
詐欺を見抜くポイント
そもそも市町村がワクチン接種のためにお金を求めることはありません。
ワクチンについては、厚生労働省より「市町村から『接種券』と『新型コロナワクチン接種のお知らせ』が届く」と明言されています。(参考:厚生労働省HP)それ以前にアプローチがあるとも考えられません。
しかし難しいのは、刻々と状況が変わり得ること。絶対にこんな電話はしない、と国から呼びかけづらく、また情勢に合わせて詐欺の手口も変わるでしょう。
基本的には、「電話でお金や個人情報を求められたら会話せずに切る」。これを念頭に置けば立派な予防策になります。
詐欺のバリエーション
・ワクチン接種自体は無料だが、一日だけ宿泊してもらう必要がある。後に返還されるがまずは宿泊代や経費としてお金を頂く必要があります。
これから続々とバリエーションは増えるでしょうが、まずこれは嘘。お金の話が出た時点で切りましょう。
その他の詐欺電話
「親族の告別式があったか教えてほしい。」
「〇〇保険の▲▲です。台風で被害を受けたご家庭に電話しているのですが、どこか壊れたままの場所はありませんか?」
隙あらば家族構成や在宅状況を知ろうとしているのが伺えます。個人情報を知られることはそのまま犯罪被害のリスクとなります。
最後に
できる限りの例やバリエーションを列挙しましたが、これからの新たな手口やまだ周知されていない手口がいくらでも出てくるでしょう。
あらためて、詐欺電話全般への対策を。
【詐欺電話に出ないで済む方法】
- ナンバーディスプレイで知らない番号なら出ない
- 在宅時にも留守電にし、残ったメッセージのみ聞くようにする
- 登録していない番号からの電話には赤色ランプで警告する防犯電話や、「この通話は防犯のために録音されます」と予告してくれる電話に変える
【もし電話に出てしまった時には】
- なるべく喋らないこと
- 疑ったら失礼と思わないこと
- 名前と連絡先だけ聞き、電話を切る(連絡先も周到に用意していることがあるので、ネットで検索するのが安心です)
疑ってばかりの世では息苦しいですが、今は詐欺グループの活動が盛ん。自衛が必要な時なのです。